ハラスメントだと認識したら、新人・プリセプター関係を即解消してほしいプリセプター制度
こんにちは!ユウジです。
僕は新人看護師時代に、年上の男性のプリセプターから嫌がらせを受けました。それだけではなく、ネガティブキャンペーンもされていたので、チームの看護師からも信頼を失い、気力もなくなるという生きてきた中でもつらい1年間がありました。
プリセプター制度って、新人看護師育成のために先輩看護師がマンツーマンで新人看護師の指導をする制度です。
つまり、先輩看護師(プリセプター)が新人看護師(プリセプティ)の運命を握るので、ぶっちゃけめちゃくちゃリスクの高いシステムです。
ですので、プリセプター制度は利益よりもリスクの方が勝る、かなり怖い制度だと思っています。ですが、プリセプター制度がない病院はなかなか検索で出てこないです。ほとんどの病院がプリセプター制度をとっているので、廃止を唱えるよりも、この制度の問題点を見つめなおし、新人看護師・プリセプター双方の頑張り所・踏ん張り所と引き際について、2回に分けて発信します。
今回は後編の、問題点と踏ん張りどころ、引き際についてです。
新人看護師に理解してもらいたいことと引き際は?
ハラスメントとリアリティショックを区別する
まず、新人看護師のリアリティショックは必ず起こります。
そして、ハラスメントは必ず起こしてはいけません。
ここを区別するのが大事です。
リアリティショックは、新しい職場に入ってきたことによる、感じる現実や文化の差です。環境の変化によっておこる心理的な反応です。
ネガティブな気持ちになりますが、看護の現場で働き続けるためには、乗り越えていかなければなりません。
- 業務量が圧倒的に多い
- 医療処置が圧倒的に多い
- 身体活動量が大きい
- 患者からのクレーム対応
など、看護学生時代以前と入職後ではかなり違うというところです。
ですが、新人看護師が、
- 怒鳴られる
- 嫌味を言われる
- キレられる
- 無視される
- 業務を妨害される
- 指導するのをめんどくさいと言われる
- 暴力をされる
全て新人看護師が悪くはなく、言った奴が悪いです。昔は違ったのかもしれませんが、2020年令和となった今、これらは間違いなく行動を起こした人が悪いです。原因を作ったのが新人などという言い訳は通用しません。
- 熱く指導をしていただけです、怒鳴ってはいません
と言う人がいます。違います。怒鳴っています。怒鳴るという行為を正当化するために指導という大義名分を主張しているだけです。
新人看護師の方は、ここだけは、、この「リアリティショック」と「ハラスメント」の区別だけはしていただきたく思います。
「プリセプターと合わない」はおかしいことではなく普通
プリセプターと合わないと文句を言う新人看護師がいます。はっきり言えていいですね!しかしその人は、「私に合わせて指導をしてもらいたい」と言っているのでしょうか。
- プリセプターの役割は、新人の職場適応を促すこと、リアリティショックに対する心理的支援を行うことである
- 新人看護師が、看護師チームメンバーの1人として自律して働けるようにもっていくことが目標
なので、仕事をおぼえる速度に合わせて業務の指導を行うこと、新人看護師が課題を抱えているときに一緒になった考えることが重要なのであって、
- 性格が合うかどうか
- 人間的に合うかどうか
- プリセプターが新人看護師の性格に合わせて指導をしているか
は重要ではありません。なんでもかんでもプリセプターに求めてはいけないということです。
信頼関係があるということと、人間的に合う合わないって、似て非なることだと思います。
ハラスメント・洗脳によって、思考が停止したら辞めちゃおう
新人看護師が受けている教育と言われるものが、教育ではなくハラスメントであった場合、プリセプター制度は苦痛でしかありません。ない方がいいです。よく言われる、プリセプターから
- 嫌われる
- 無視される
- 怒鳴られる
「嫌われる」は、好き嫌いの好みなのか信頼関係がないのかが色々な意味がとれるので、棚上げします。「無視される」「怒鳴られる」は、完全にハラスメントですので、単に受け手にストレスがかかるだけです。
見分ける基準は、
- 新人看護師の主観的な思い
- 新人看護師のの表情
- 客観的に見て暴力的であったり恐怖があるか
- 日本国憲法で保護されている人権が侵害されているか
です。「コイツはこんなことを言うために生まれてきたのか」と思ってよいです。
対処法は簡単で、さっさと辞めた方がいいです。もしくは休職か異動です。そのような人がいる場所からは1日でも早く離れましょう。
ストレスがかかると、ストレスを除去しようとするために、人間は行動します。これが「ストレス発散」であるとか、「勉強して反論する」であればまだいいのですが、「思考停止=脳がストレスをストレスと思わないために動きを停止する」「洗脳=嫌なことを肯定しないと潰れてしまうために、自分にとって必要なことを言われていると思い込む」となると、かなりまずい状態になります。
「聞き流せばいい」とアドバイスする人がいます。スルーすることは、人によってできるかできないかがあり、スルーできるのはスキルがある人ですね。ですので、「聞き流せばいい」は、聞き流せる人から聞き流せない人に対する暴論です。
傷病手当金や失業手当をもらって休みましょう。
プリセプターに理解してもらいたいことと引き際は?
世間のコンプライアンスに対する感度は歴史上最高である
僕は新人看護師時代にプリセプターから、
- 嫌われ
- ことあるごとに怒鳴られ
- ネガティブキャンペーンを受け
- 僕は心身ともに疲弊し、不眠症になった
なんとか1年経過した後、回復期リハビリテーション病棟へ異動しました。
当時は、こんなものなのか、と思い受け入れてしまった面もありますが、これは思考停止、洗脳に近いところだったと思います。
こんなストレスフルな状態で成長できることはありません。当時の僕のような新人看護師を1人でも減らしたい、1人でも救いたい、そういう思いでこの記事を書いています。
今の時代は相互監視社会です。罵倒、誹謗中傷、名誉棄損に対する世間の感度は歴史上最高です。
嫌なことを言う人、無視をする人が悪なのであって、その対象となった人が悪ということはもはや通用しません。
これを十分理解して、大人の対応で新人看護師のプリセプターを行うことが求められる世の中です。
プリセプターをやることで嫌な人間になってしまってはいけません。
例「新人指導をしても給料は上がらない」
よく新人に対してこのセリフを吐く人がいますが、
- 八つ当たりです
- 新人に文句を言って解決しないことをなぜ言うのか
- 給料あげてほしいなら看護部に言えばいい
- あなたの考えを新人に押し付けないでください
完全にシステムの話なので、新人育成の邪魔になることを言ってしまう時点でプリセプター失格だと僕は思います。
新人は勝手に育つ、邪魔をしないこと
僕はむしろ新人育成は、誰かが責任を持ってすることではなく、勝手に新人が育つのを「邪魔しない」ことだと思います。環境を整えるのが大事です。
- 業務速度が遅い新人
- 指導された内容を忘れる新人
- 仕事に抜けがある新人
新人指導に対して、これらのような文句を言わないで、見守るからこそ大変なのであって、「無視する」「怒鳴る」などのことをしてしまっては業務放棄です。
- 上の看護師に、「新人指導はどうなっているの?」と聞かれたり
- 病棟師長に「新人育成プログラムの進行具合がよくないわよ」と言われたり
、これを新人に指摘したとして、新人看護師が成長するとは思えません。むしろ焦らせて効率が下がって逆効果、だと思います。
- 次の新人に追い抜かされるよ
- 学生の方ができがいいよ
などと僕も言われたことがありますが、世の中言っていいことと悪いことがあります。看護の世界はいつから競争になったんでしょうか。
看護の目的は、目の前の患者に必要なケアを提供することが目的であって、進行速度を競うことが目的ではないはずです。
新人看護師に必要以上のストレスをかけない
これくらい新人看護師に配慮してもいいかと思います。
そもそも、新人看護師にかけた方がいいプレッシャーなんてあるのでしょうか。
立場が上の人がかけたいだけじゃないのでしょうか。
いじめている立場になったらプリセプターを辞退しましょう
なんにしても失敗はあります。
- 新人看護師に対して「怒鳴る」「無視する」などの行動をしたとしても罪悪感はない
- 新人看護師に対してネガティブな感情だけでなんの感慨がない
- 新人看護師のネガティブキャンペーンをする
- 「新人看護師が、〇〇できたら認めてやる」などと態度のでかいことを言う
普通は罪悪感があるかと思いますが、これをあまり感じなくなっていたり、意識的・無意識的に関わらず新人看護師を失脚させる行動をとっている人は、新人看護師を1人格として扱っていません。もはや看護師でもプリセプターでもありません。ただの嫌な人間です。
これらを自分がしていることに気づいたら、新人看護師にとっては害悪なだけなので、即刻プリセプターを辞めましょう。たいていの場合、新人看護師が1年踏ん張るか、辞めるかでプリセプターを終了するわけですが、
- 途中でプリセプターを辞退
全然ありだと思います。プリセプターをやることで、悪い人間になってしまうのなら、すぐにプリセプターを辞めるのがいいと思います。仕事上の役割なので、誰かに引き継いでもらうのもありです。
再度強調しますが、
- 怒鳴っている人は怒鳴りたいから怒鳴っている
- 無視する人は無視したいから無視している
- いじめたい人はいじめたいからいじめている
のであって、いじめやすい人、弱い立場にある人を失脚させたいだけです。プリセプターがイライラするまでは理解できますが、それを我慢できないで怒鳴ったり無視するのはハラスメントだということです。
まとめ
ハラスメントに対して注意喚起をすることが強く出た記事を書きました。
まだまだ看護の現場はホワイト・ブラックの差が大きく、閉鎖的だと思います。
やはり、快く働ける職場、落ち着いて働ける職場にたどり着くためには、
- 転職を繰り返す
- 訪問看護ステーションを立ち上げる
- 慢性期・回復期リハビリテーション病棟などから職場を選ぶ
- 派遣看護師として働く
これらしか方法はないかと思います。それぞれデメリットもありますし、
「慣れた職場から転職するのは今さらつらい」と感じるかと思いますが、色々な病院で色々な経験ができると考えてもらって、まっとうで楽しい看護師ライフを送っていただけることを願っています。
新人看護師とプリセプターの悩みのまとめ記事【新人教育ようまくいけ】
今回はプリセプターと新人看護師についてのまとめ記事です。新人看護師教育は、する側も受ける側も大変で、悩みがつきまといます。ストレスが強かったり、人間関係が崩れると新人・プリセプターともプリセプター制度の課題や、価値観の相違について、プリセプターの良し悪しの基準について、それぞれの記事をまとめました。