最短で看護師になるには 高卒以上なら看護専門学校3年課程 *104歩
先日看護師になるための学校について、記事にしました。
看護師(正看護師)になるには、
- 中卒の学歴で高等専修学校5年一貫課程入学
- 高卒以上の学歴で、看護大学・看護短大・看護専門学校へ入学
- 准看護師の資格がある人が、特定の条件(准看護師実務経験3年以上か高卒以上の学歴)を満たしており、准看護師から看護師になるための専門学校の2年課程コースに入学
これで卒業時に看護師の資格を取得できます(正確には国家試験受験資格)。
とまあ、かなりややこしい道筋なので、最短はなにか?ということを補足します。
結論は、
高卒以上の学歴がある人が、看護師になるには
- 看護専門学校へ入学する:3年でなれる
これだけです。メリット・デメリットがありますので、説明していきます。比較対象は、看護大学・看護短大です。
看護専門学校のメリット 仲間との一体感がある
看護師になりたい学生だけがいる
意外なことに、大学の看護学科には、
- 「看護師の資格を持っておけば、他の仕事でうまくいかなかったときに、将来看護師として働けるから看護師の資格をとっておこう」
と考えて入学する学生が一定数います。
どんな考えであってもいいのですが、自分は看護師になりたいと思って入学すると、どうしても価値観のズレを感じるんですね。
そういうひとと話しても、建設的じゃないです。
その点専門学校はみんな看護師になりたくて入ってくる、看護師にしかなりたくなくて入ってくるので、そういう点で一体感があります。
高校のクラスの延長のような雰囲気がある
デメリットと重複しますが、専門学校の授業はほとんど必修でみんなで同じ授業を受けるので、同じ顔ぶれで3年間勉強していきます。
大学というよりやはり学校の雰囲気が強いので、仲間との心からの付き合いになっていきます。
かかる金額と時間が少ない
看護専門学校は多くは3年で看護師の国家資格をとれます。
これは実際に入学する学校の費用を調べてみてもらいたいのですが、専門学校は学費が看護大学・短大に比べて安いです。
- 入試も安い
- 先生が少ない分安い
- 文部科学省の認定を受ける必要がないから安い
- 私学でも安い
こんな感じです。
簡単にいうと、厚生労働省の認可だけを受けていて、大学・短大としての認可を受ける必要がないため、文部科学省の認可はいりません。ですので、大学・短大が文科省に認可してもらうための教員の配置や設備にお金をかけるぶん、学費が安くなるということです。
国家試験対策がある
専門学校の先生は、国家試験対策をきちんとしてくれます。専門学校の看護学生は、国家試験の3か月前まで病院実習に行っていることがあり、自己学習だけでは追いつかない面があります。
やっぱり専門学校の先生は、先生なんですね。大学の先生は、教授とか講師であって、研究者であって、先生の要素は少ないです。
看護専門学校のデメリットと対策
最終学歴は高校卒となる
最終学歴が高校卒になります。これは以下に影響します。
- 大学卒の看護師の給料を優遇する病院がある
- 一般企業、特に大手企業に就職したい場合
- 大学院に行きたい場合(専門看護師・研究者・大学教員になりたい場合)
- 大学病院の看護師長以上のポストに就きたい場合
ですので、看護師として働くためにはほとんど影響しません。
大学卒の看護師が給与面で優遇されますが、大学の学費はバカ高いので、経済面では専門学校が勝ち組です。
(独自の計算では、大学卒看護師が専門学校卒看護師の稼ぐ金額を上回るためには、15年かかります)
それに、ホリエモンだって東大中退しているから高卒です。
以前の世の中よりも、学歴を重視しない世の中になっています。
また、社会人や主婦の方で、大学を卒業している人は、当然最終学歴は大学卒になります。
授業時間が長い、実習日数が多い
大学と専門学校で授業時間を比較したとき、専門学校の方が1年少ないのに、トータルの時間数が5~10%ほど多いです。
これは、講義や演習というよりも実習期間が長い、実習日数が多いからです。
やはり専門職業人を育てようとしているのが専門学校なので、実習に力を入れています。
実習時間が長いことへの対策は、対応策しかありません。時間の使い方をうまくする、ということです。
実習時間は減らせないので、
- 事前勉強をする
- 以前に同じ病棟に行った学生から情報収集する
- 病院で看護助手としてバイトして看護技術を磨く
- スマホゲーム、ゲーム、テレビ、YouTubeの時間を減らす
- 学校外の友達や恋人に、「実習中は連絡返せないかもしれないから、〇月〇日が最終日だからその後に連絡します」と宣言する
これらの対策ができます。特に、実習期間中に友達の理解を得ておくのは大事です。
先生が少ない
先生が少ないと、様々な価値観を持った看護の先輩の話を聞く機会が少なくなるということです。
ただ、大学の先生は学歴があるけど、授業への意気込みは本当に幅が大きい(研究をしたいから大学の教員をやっているのであって、看護の先生をやりたいから大学の教員をやっているわけではないことが多い)ので、専門学校の先生の方が教育に熱いかもしれません。
看護専門学校の先生になるためには、半年間の指定の研修を受けるのですが、大学・短大の教員になるためには、研修はないんです。
図書館の充実度がまちまち
これは文部科学省の認可を得ていないことの設備的なデメリットです。
オープンスクールやオープンキャンパスで、大学や短大と、図書館を見比べてみるがよいと思います。
ただ、近くの看護大学や医科大学の図書館があればOK(利用のために必要な手続きを調べておく)ですし、いまではインターネットで様々な情報が無料で手に入るので、ITに強くなっておけばOKかと思います。
まとめ
看護師になるには、3年生の看護専門学校に入学することが一番早くて経済的だという観点で、メリット・デメリットを紹介しました。
進路に悩んでいる方、家族や友達が進路に悩んでいる方、参考にしていただけたら幸いです。