新型コロナウイルス軽症者宿泊施設の看護業務【施設内看護】 *14歩

看護師 看護師の働き方

こんにちは!ユウジです。

こんな記事を見つけました。クリックしてページにジャンプ頂けます↓↓

コロナ軽症者はPCR「陰性」確認せず…療養解除の仰天事実

仰天事実などとあおっていますが、「陰性を確認せずに外出してよい」ではなく正しくは、「PCR検査を必要とする重症者が多く対応しきれなくなった場合に、発症から14日経過した軽症者・無症状者は陰性が確認できなくても退院してよい」です。

※2020年9月現在、症状がなくなり発症診断日から10日経過したら、PCR検査を実施せずに退所です。検査を実施したければ、実費になります

今回は、新型コロナウィルス感染症について理解を深めて頂きたいこと、また期間限定の契約で僕が新型コロナウィルス感染症軽症者の宿泊療養施設で看護師として働いていることもあり、この軽症者施設について、まとめたいと思います。

新型コロナウィルス感染症の軽症者等の宿泊療養施設とは

宿泊療養施設の設置の背景

  1. PCR検査が陽性と判定された人は病院に入院して治療してもらいたい
  2. しかし、陽性の人を全員入院させたら病院のキャパがオーバーする危険がある
  3. そのため、高齢者や妊婦、がん患者等ではない人は、自宅療養してもらいたい
  4. しかし、自宅療養では家族に感染する危険がある

→地方自治体で宿泊施設を準備してそこで療養してもらおう!!

→宿泊療養施設を設置しよう!

入所の対象となる人

PCR検査が陽性であり、医師が、

  • 症状がない
  • 感染防止の留意点が守れる
  • 高齢者ではない
  • 糖尿病などの持病がない
  • 抗がん剤治療をしていない
  • 妊婦ではない

と診断・判断した人が、軽症者施設での宿泊療養をすることになります。

退所の条件

  • PCR検査が2回連続で陰性であった人
  • 症状がなく14日経過した人(重症者がPCR検査を受ける医療体制を提供できない場合)

施設の概要

入所者の部屋について

  • 基本的に1人1部屋
  • 基本的に入浴・トイレ設備が個室に整っている
  • 建物かフロア単位で貸し切りである

看護師、スタッフの待機所について

  • 宿泊設備がある
  • 会議室がある
  • 入所者と導線は分けられている

入所者の生活

外出禁止

当たり前ですが、入所者は自分の部屋に滞在し、建物の外への外出はできません。
※法的な拘束力はありません。

3食の提供

朝食、昼食、夕食が提供されます。

健康管理をする

1日1回以上、看護師が入所者に電話し、健康確認を行います。体温測定は1日に2度、入所者が行います。

PCR検査を受ける

PCR検査を適宜実施します。

基本的には自分の部屋にいる

入所者は、食事をもらいに行ったり、洗濯やシーツ交換、ゴミ捨てなど必要なときはフロアの所定の場所に取りに行きます。それ以外は基本的に自分の部屋で過ごしていただきます。

カーテン等の仕切りではなく完全に部屋が区切られているので、病院に入院することに比べて、プライバシーは保たれているかと思います。

過ごし方は、テレワークで仕事をされる方、動画を見たり、ゲームをされる方、過ごし方は様々です。

施設内看護の役割

電話で入所者の健康確認

基本的に電話で入所者の健康確認をします。必要に応じて、防護服を着用し、入所者の部屋を訪問します。

  • 現在の体温
  • 現在の症状
  • 食事量、排せつ回数
  • アレルギーの有無
  • 他の持病について管理できているか
  • 内服薬の数は足りているか
  • 睡眠はとれているか
  • 生活上困ったことはないか
  • 宿泊療養施設で生活することについて、精神的な負担になっていないか

PCR検査の準備・補助・片付け

  • PCR検査を行う人数分の検査キットを準備する
  • PCR検査を行う検査室の準備(消毒や物品の補充、防護服の用意)をする
  • PCR検査を受ける入所者を本人確認し、検査室に案内する
  • PCR検査が終了したら、片付け(消毒・ゴミ捨て)を行う

食事・水分の提供

入所者のエリアでの決められた位置に、看護師が入所者の食事を準備します。

退所指導

PCR検査が2回陰性になり、退所が決まった人に対して、退所時、退所後の生活の指導を行います。

軽症者施設での看護師の募集について

都道府県看護協会もしくは看護師派遣会社が募集しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「14日経過すれば外出してよい」などという文言は厚生労働省の発行した文書にはどこにも書いておらず、「重症者が多く医療体制が整わなくなった場合に陰性を確認せずに退院してよい」という緊急策としての記載であり、「医療体制が整っているのであれば、PCR検査で2回陰性が確認されてからの退所」となります。

公的な文書を読むのは疲れますが、内容をしっかり理解して、メディアに惑わされないことが大切だとしみじみ思いました。

読んでいただき、ありがとうございました!

参考URL↓↓

新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル(PDFファイル)

新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について(PDFファイル)