違いすぎる!新人看護師と2年目看護師の違い *43歩

新人看護師 看護師

こんにちは!ユウジです。
新人看護師(1年目看護師)と1年目の期間を乗り越えた2年目の看護師は、全然違います。

1年目で入職したばかりの新人看護師は、研修、勤務パターン、看護技術、担当患者、人間関係など、あらゆる面で配慮されたりマークされたりします。

一方で、これらの研修期間を乗り越えた2年目看護師は、ほとんどすべての看護技術が先輩の見守りがなく実施でき、基本的に全てのメンバー業務を実施できるようになります。病棟で患者を受け持つことに関しては基本的に全て1人で行います。

医療職者は経験の影響が大きいとはよくいいますが、今回は、この新人看護師と2年目看護師の違いについて、記事にしていきたいと思います。
なお、今回の看護師は、一般病棟に勤務する場合を想定しており、手術室、集中治療室、救命救急センター等は僕の経験がないので考慮していません。

1年目看護師と2年目看護師の違い

新人看護師 2年目看護師
研修 新人研修毎月 6か月に1回程度
勤務パターン 夜勤は4か月目程度から 日勤夜勤とも1メンバー扱い
看護技術 基本的に全て先輩に見てもらう 基本的に全て1人で行う 珍しい医療行為は先輩と一緒に
担当患者 軽症者・人数は少なめ 重症患者担当あり、手術患者担当、入院受け等あり
人間関係 信頼関係を作っていく段階 信頼・実績とも認められた段階

研修について

新人看護師の研修

新人看護師は研修三昧です。

  • 看護技術(移動の援助、感染管理、点滴ポンプ、身体拘束、転倒転落など)
  • 接遇
  • 看護過程
  • リフレッシュ研修

2010年に看護師等の人材確保に関する法律が改正され、新人看護師研修が努力義務化されました。
そのため、2010年以降に入職した看護師は、新人研修を年に10回以上受けることになります。
メインは様々な看護技術の研修で、医療安全に関する内容が多いですが、研修の内容については病院に任されています。

全て病院が定めた教育システムに乗って研修を受けることになるので、勉強する内容は多いです。これらは基本的に勤務時間内に行われるので、新人看護師は研修がある日は、受け持ち患者が極端に少なかったりします。

しかも、病棟主催の勉強会もあり、これは休みの日であっても半強制的に参加になるので、これも入れると年に20回弱程度研修がある病院もあります。

2年目看護師の研修

2年目看護師の研修は、2年目研修が年に1~2回あるかないかです。ラダー研修を受けない限りは研修は1年目に比べたらとても少ないです。リーダー研修がある病院もありますが、基本的にリーダー研修は3年目以降です。

ただし、病棟の勉強会の主催を任されることがあり、これがあると1回の勉強会であっても一気に難易度が上がります。

勤務パターン

新人看護師の勤務パターン

4~6月の新人看護師は、夜勤をしない病院が多いので、この期間は日勤だけになります。
また、土日よりも平日の方が見られるイベント(医療処置や手術患者、入院患者など)が多く、また勤務者を多く設定しているので、平日の日勤が多い勤務になります。7月以降は夜勤も入りますが、最初は夜勤人数のプラス1として入り、4回目くらいに夜勤メンバーとして、経験の多い先輩看護師と組んで夜勤をすることになります。

2年目看護師の勤務パターン

2年目看護師は、完全にメンバーの1人として数えられているので、病院の定められた月の時間数の勤務、夜勤の回数をこなすことになります。そのため、土日や平日のいずれかに勤務が偏っているということはありません。

看護技術

新人看護師の看護技術の習得

新人看護師の看護技術の習得が、最も苦慮することの1つだと思います。(もう一つは人間関係です)
看護学校で150時間かけて授業・演習をしていた内容に加え、その科特有の看護技術(胸腔ドレーン管理や化学療法など)も身に付けていかなければなりません。
身に付ける、というのは、先輩看護師に、新人看護師が患者に看護技術を提供するのを実際に見てもらって、新人看護師が1人で今後その看護技術を行ってよいと決めてもらうことを指します。身に付けるまでは先輩看護師にずっと見てもらうことになります。日常生活援助では移動の援助については特にしっかり見られます。しかし、本当に苦慮するのは採血、点滴、消毒、導尿等の清潔操作が必要な医療処置です。
ただでさえ忙しい中に先輩看護師に声をかけるのは大変なことです。

  • あらかじめ見てもらいたい看護技術をナースステーションに掲示しておいて、該当する患者がいたら融通してもらう
  • 朝に見てもらいたいことをチーム全体に発表し、アピールする

など、事前に声をかけやすいよう種をまいておくことが重要です。

新人看護師が先輩看護師に看護技術を見てもらうのは、プレッシャーがかかりますが、仕事なのでしょうがありません。
これについては、逃れようがないので、応じてくれやすい先輩に依頼するしかありません。

2年目看護師の看護技術の習得

2年目看護師の看護技術の習得は、

  • 1年目で看護技術の習得ができなかった内容
  • 珍しくて習得できなかった内容
  • 病棟のルールで1年目はやらないようにされているもの

です。基本的にはごく少ないです。

担当患者

新人看護師が担当する患者

  • 軽症患者で、症状が安定している患者
  • 合併症が重くない患者
  • 手術患者か入院患者を担当する場合は、どちらか1件のみ
  • 患者ケアの内容に、新人が課題としている看護技術がある患者
  • 患者本人、家族が協力的であったり厚意的な患者

新人看護師が担当する患者は、配慮されます。
数でイッパイイッパイになってしまったら、患者に必要なケアが行き届かないので、速さや量よりも質が優先されます。
合併症が重くない患者とは、認知症であったり、重大な心臓病、肝臓病、腎臓病やガンなどの病気がないことを意味します。正常な状態であるか、生体に異常がある状態なのかを判断しやすい患者を受け持つように配慮されているし、配慮されるべきだと思います。
さらに、入院患者と手術患者はかかる時間の負荷が大きいので、どちらかに集中できるように配慮されます。
また、新人が課題とする看護技術が必要な患者についても、担当することが多いです。「技術だけやらせてください」ということもありますが、患者全体を見た中での看護技術です。
最後に、苦情の訴えが多い患者・家族についても難易度が高いです。経験のある看護師や病棟師長が対応する必要があります。

2年目看護師が担当する患者

  • 中等症患者は基本的に受け持つ
  • 重症患者もときには受け持つ
  • 入院・手術に加え、緊急入院患者なども対応する
  • クレームや苦情の訴えが多い患者・家族についてはリーダー看護師や病棟師長のフォローで受け持つこともある。

2年目看護師は看護師のメンバーとしては1人前なので、基本的に全ての患者を受け持つことができます。
人工呼吸器を装着している場合は先輩がフォローすることもありますが、その場合も見学から始めるということはなく、メインで受持ちます。人工呼吸器装着患者、入院患者、手術患者を同時に受け持つことはないと思いますが、この中で2件を持つことはありえます。また、緊急入院患者の対応についても行いますので、時間内に担当患者のケアを終えることではなく、時間を余らせて担当患者のケアを終わらせることが求められます。
クレーム対応については管理者も介入しますが、担当する場合も多々あります。

人間関係

新人看護師を取り巻く人間関係

  • 入職時は信頼関係がゼロからのスタート
  • キャラクターが認知されていない
  • 新人看護師の評価は仕事ができるかどうか、仕事に対する態度がどうかで概ね決まる
  • 先輩看護師に嫌われるとマイナスになる
  • 先輩看護師にマークされやすい

当たり前ですが、新人職員は入職時の病棟での信頼関係はゼロです。性格・人格も理解されていないです。
ここから信頼関係を築いていけるかいけないか、マイナスになってしまうかで、新人看護師の立ち位置や精神衛生が決まります。ですので、新人看護師にとって病棟での人間関係・信頼関係への考慮は重要です。
これは、新人看護師の仕事の出来と仕事に対する態度で決まっていくので、新人看護師の方は勉強しながら頑張ってほしいというのが僕の願いです。
また、先輩看護師に嫌われると、病棟の看護師が非協力的になったりして、ただでさえ弱い新人看護師の立場がさらに弱くなります。
嫌がらせやハラスメントは重大な問題なので自分だけで苦しまずにしてもらいたいですが、新人看護師が先輩看護師と信頼関係を構築する努力もまた重要です。
さらに、新人看護師はなぜか先輩看護師にマークされやすいということです。
マークされることで気づいたことを褒められることもありますが、たいていは注意されます。それがまっとうな注意であればマシですが、

  • 「敬語が使えていない」→先輩看護師も全然使えていないことが多い
  • 「身だしなみができていない」→先輩看護師の方が髪の色や化粧、髪がまとまっていないことが多い

僕の経験上や聞いた話では、このようなことがありました。

2年目看護師を取り巻く人間関係

  • 2年目看護師としてほとんどの仕事が任され、信頼されている
  • キャラクターが認知されている
  • 先輩看護師に嫌われる可能性はあるものの、大概は1年目の段階で嫌われることが多い

2年目看護師は看護師メンバーとしてほとんどの看護業務が任されます。これは、看護師として、職場で働く人間として信頼を獲得している状態であるといえます。
新人看護師同様、先輩看護師に嫌われる可能性もありますが、もし嫌われるなら新人看護師時代に嫌われているはずなので、先輩看護師のマークもほとんどなく、新人看護師と比べ物にならないくらい自由です。

まとめ

新人看護師と2年目看護師は、勤務経験は1年差ですが、別次元の存在ともいえるくらい信頼関係や教育システム、習得するべき看護技術が異なります。違う表現をするなら、新人の1年間で本当に様々な知識、技術、人間関係について学び、経験し、成長していきます。
1年間にそこまで積み込む必要があるのかという疑問は残ります。新人看護師の成長の阻害をするもの、例えばハラスメントや嫌がらせなどは人権に関わってくることであるので、これらについては管理者や先輩看護師が配慮した方がいいことだと思います。