【看護師に向いていない】悩んでいる看護師・看護学生ほど向いていると思う理由
今回は、看護学生になったときに多くの人が悩む、看護師の適性についてです。
結論から言うと、日本で120万人が就職している職業であり、特別な才能は必要の無い仕事です。
そのための看護学校と国家資格ですからね。
ただし、仕事中であっても、
- 相手の立場に立って考えられない人
- 他人よりも自分を優先にする人
- すぐにキレる人
など、「こんな人が職場にいたら気をつけろ5選」に紹介されるようなキャラクターの人は、看護師に向いていない仕事かと思います。
参考URL「【人生の無駄】関わってはいけないヤバい上司5選」
僕は看護師14年間やっていますが、自分自身「人と話すのが好き」「感受性が豊かだと思う」「貢献したい気持ちがある」など、最近は本当に自分には向いている仕事だなあと思います。
学生・新人の頃には自分には向いていない仕事だと悩んでいました。向いていないと思っていた自分を、懐かしいと思います。
もし特別な才能が必要な職種なら、向いているとか向いていないとか、変わらないと思います。看護学生は、看護師は、自分は看護師に向いていないと悩んでしまうのでしょうか?
やっぱり看護師は、対象者に何かを与える仕事である~この考え方が学生のときはつらい~
人間は与えるのが苦手な生き物
人間っていうのは、自分が大事な生き物であり、他者に貢献したい(=ギブ精神)があるかないかは、人によって違います。
人間は自分が大事だから、人によって与えようと思えるかは幅があります。
おばあちゃんが道で転びました。あなたは助けにいきますか?
という話です。助けにいく人、いかない人、人によりますよね。
看護師はやっぱり与える職種
看護師は世間のイメージ通り、対象者に貢献することで給料をもらう職種です。
看護師が、看護の対象者に与えられるものとして、
- 笑顔・会話・傾聴などの援助的コミュニケーション
- 血圧測定・清潔ケア・排せつケア・吸引・採血などの看護技術の実践
- 患者・家族の生活が成り立つような、家族・患者指導と相談
- 体調確認や異常の早期発見、身体拘束などの安全性
- 多職種との協働によるチーム間の調整(イメージがつかない方は無視してください)
などです。
しかも、看護師の方は立派にも、
- 看護の対象者の立場に立つのは当然
- 自分自身のベストを尽くすのが当然
- 新しい知識と手段を模索したり研修を受ける
- 看護師チームで対象者のケアにあたる
などで、自分の持つ100%以上の力で対象者に与えようとします。
この姿勢は素晴らしく、1つの病棟に行くと何人もこのような姿勢で働いている看護師に出会えるので、
僕自身看護師であることに誇りを思います。
看護学生は、給料をもらわずにこの考え方を身に付けなければならない
看護学生は、給料をもらわずに、
- 考え方:対象者の立場に立って考える
- スキル:対象者にケアを提供する(与える)
これらをやります。やらなければなりません。
しかし、人間は自分が大事であるから、対価もなく、新たな考え方を身に付けなければならないのは、つらいことであると思います。
もちろん、対象者の方から、「ありがとう」という感謝の言葉や、看護師として働く際の必要な考え方とスキル、そして成績や思い出などという経験をもらいます。
しかし、給料をもらっているのともらっていないのとでは、やはり天と地の差があると思います。
給料をもらっていたら、「給料をもらっているしもう少しやってみようかな」と思うものです。
看護学生に給料を払いましょうと言いたいわけではないです。
- 給料が出ずに対象者中心の新しい考え方を身に付けましょう、というのがつらい
- それを身に付けようとしている看護学生を理解しよう
ということが言いたいです。
看護学生への病院実習での指導対応は、やはり臨床看護師によって幅があります。
看護学生の精神的な負担は改善できる部分はどこか、本当に考えています。
何を与えるのがよいかを判断するのが難しい
看護師は、対象者が必要としているもの(ニーズ)をとらえ、介入していくことが役割です。
対象者が何を必要としているかを論理的に考える過程を、看護過程といいます。
これは
- 情報収集
- アセスメント(推理・推測・分析)
- 計画立案
- 実行
- 評価
という段階に分けて、PDCAサイクルを回して看護を展開していきます。
これに慣れるのが大変だし、対象者の病気にあわせて思考しなければならない。
しかも、この思考過程が適切かを評価するのは、教員と実習指導者なので、ある程度納得できる内容でなければなりません。
対象者が何を必要としているのかを導き出すためには、医学的な知識と論理的な説明がどちらも必要となり、これが学生にとって困難になり、指導をたくさん要する場面であることが多いです。
しかも、適切か適切ではないか、評価されるのはつらいです。授業料を払って、しかも給料も出ない。つらいけど、看護師になるために必要です。
看護学生にとって、
- 何を与えればよいか
ということも、看護って難しいな、と悩む一因になります。
自分は看護師に向いていないと悩む人ほど、向いているんじゃないかと思う理由
看護師に向いていないと感じさせる・悩ませる構造
今まで、
- 何かを与えるのが苦手な人間が、給料をもらわずに他者に何かを与えるという考え方を身に付けることが難しい
- 何かを与えようという考えであっても、対象者が何を必要としているのか判断をするのが難しい
ということを書いてきました。これは難易度の高いことに難易度を高いことを重ねる構造であると思います。なので、
- 看護の勉強って難しい
- 看護師・教員と自分とで、思考力の、圧倒的な・埋めがたい・絶望的な・大差を感じる
- 給料をもらっていないから、我慢し難い
と感じさせる構造・悩ませる構造だっていうことです。悩んで普通、向いていないと感じて普通です。
普通ならいいんじゃない?看護師は120万人働いている
看護師は120万人の人が現在働いており、日本でも屈指の職業人口数を誇ります。
看護師に向いているかを悩む構造の場所にいて、看護師に向いているかを悩んでいるなら、普通の人間ですよね。
普通の人間でできる仕事だから、120万人もの就業者数を誇る業種になっています。
普通に悩んでいるんだったら、むしろ向いているんじゃないかと思います。
本気で悩むんだったら相談しよう
- 「本当に向いてないって感じるよねー」
- 「向いてないなー」
と友達同士で話し合うのはいいことだと思います。悩むのもいいことです。同じ悩みの人は、きっと近くにいますから。
ただ、
- 悩み苦しんで本当につらい、苦痛が強い
深刻な悩みを抱える方について、看護師・看護大学院生の立場からアドバイスします。
まずは休む・自分の健康は何にも代えがたい
まずは休みましょう。まずは1日、休んで心を落ち着かせましょう。実習でも1日なら休めるはずです。
特に心の健康は、回復するのに月単位以上かかります。自分自身を大切にしましょう。
教員や友達、両親、高校の先生など相談できる人にできるだけ相談する
少し行動しようと思えてきたら、できるだけ多くの人に話を聞いてもらいましょう。
今後のことを決めるときは冷静に
休学、退学、続行、のどれかだと思いますが、自分にとって最良の選択肢を考えましょう。
考えられないなら、経済面を考えつつも休学がいいと思います。
僕が大学院でハラスメントを受けたとき、退学をしようと思いましたが、最終的にデメリットが少ない休学を選択しました。
まとめ
看護師に向いていないと悩むのは普通ですが、悩み苦しむのは自分自身の健康を第一に考えましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!