【目標を作る】新人看護師がシャドーイングを攻略するときのアクションプラン

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こんにちは!「人に優しく、人を楽しませる」コミュニケーションが信条で、日本を、世界を癒しの力で包み込みたい看護師タレントユウジです。

このブログでは、病棟、高齢者介護施設、新型コロナウィルス軽症者宿泊施設、訪問看護ステーション、大学院生、教員、派遣など、様々な場所で看護を考えてきた看護師歴10年の僕だからこそいえる内容をブログ記事にして発信しています。

今回のテーマは、「新人看護師がシャドーイングをするときの学び方【ただの見学にしない】」です。

先日こんなツイートをしました。

悩みの理解

悩む新人看護師「シャドーイング中に何をしたらいいかわからない。メモはとってるけど1週間で何がなんだか整理しきれないなあ。患者さんを受け持った時に活かすには、どういうまとめ方がいいんだろう。」

シャドーイングから学ぶことは、ぶっちゃけ難易度が高いです。他人の手技を見ておぼえることは、経験があればできますが、経験がないと難易度がめっちゃ高くなります。

もちろん、新人看護師は看護学生のときの経験があるので、ゼロまではいきません。しかし、初めて働くその病棟で看護学生時代と手順の違うことを先輩の技術の方が優れているとしてパクることはやはり難易度が高いです。

今回はシャドーイングの際の学び方・態度の作り方を説明していきます。

  • 新人看護師に課されるシャドーイングとは何か
  • 新人看護師がシャドーイングをするときに眠くて学べない理由
  • シャドーイングで学ぶのは難易度が高いので戦略必須
  • シャドーイングの目標を作り、全部吸収しようとせず、要点だけ学ぶ

  • シャドーイング中のアクションプラン

  • 学んだことをまとめて、積み上げる

※今回の後編では、チェックポイントを付けた3つを説明します。前編が気になる方はコチラ↓

シャドーイングの学習目標を作り、全部吸収しようとせず、要点だけ学ぶ

シャドーイングの学習目標を作り、全部吸収しようとせず、要点だけ学ぶ

全部吸収しようとすると、あなたに必要な内容を吸収できない⇒目標を作る

シャドーイングは受け身なので、体験するだけなら誰でもできます。大事なのは、次のステップを見据えた患者を受け持つときに活きるシャドーイングです。

看護師の役割は、患者の24時間の生活を成り立たせるために必要なことを介入する役割なので、看護師の行動は全てこれにつながってきます。ただ、これだと全て吸収しなきゃいけなくなるので、目が回ります。ぐちゃぐちゃになります。情報デブになります。なので、的をしぼりたいんです。

例えば、服を買うにしても、なにかの服を買ってぶらぶらするのと、神戸レタスのワンピースから選ぶのでは、神戸レタスの方が買うものが見つかりやすいですよね。商品をぶらぶら見るのは楽しいので、楽しむことが目的ならこれでOKです。でも買って手に入れることが目的なら、絞った方がいいというわけです。

シャドーイングは、たくさん見るのではなく、的をしぼった方が、効率的にメモ書きできます。この的のしぼり方が、目標です。結局実習かよ、って感じですが、大事です。

目標設定(わからないことをわかる)をしてメモの記載していく

シャドーイングは受け身なので、体験するだけにならないために、何かの目標だったり基準を作って、学んでいくことで、整理しながらメモをとっていけます。目標は、言い換えればわからないことです。わからないことはなんなのか、を明確にして、これをわかるためにリンクした内容をメモ書きしていきます。

僕はドラマを見るときに、この俳優さんはどんな気持ちでこの役を演じているのか?という観点で観ながら、楽しんで観ます。それが自分の演技力に良い影響を与えます。

これと同じで、ある程度具体的に学ぶ目標を決めて、それに集中し、他を捨てた方が、ブレずに仕事をポイントポイントでおぼえることができます。先輩にここが重要と言われたところは、別のメモのページに書いておけばいいわけです。具体的にシャドーイング時にどんな目標を立てていくかは、仕事の全体像をもとに例えを作りますので、ご覧ください。

新人看護師のシャドーイング中のアクションプラン

シャドーイング中のアクションプラン

目標(わからないこと)に応じてメモをとる、目標と違う内容は別ページにメモ

前項でお伝えした内容を実践しましょう。目標に応じてメモをとり、目標と違うことはメモをとらないか、別のページにメモをとります。(メモをとらないことを指摘する先輩がいるので、別ページメモが大事です)

例えば、1日の流れを知るということを目標設定したとします。で、ナースコールはいつも鳴るので、これを外して、時系列毎にメモ書きをしていくわけです。手術出しとか検査出しは、時間がその日によって違うので、時系列にはメモしません(その日の予定にはメモっておいた方がいいですが、持ち帰って整理する材料にしなくてよいということです)。その他で重要だと思ったことは、別のページにメモをして、頭を切り替えます。その日の目標を頭から飛ばさないように注意しましょう。

なんでこれをやるのか、疑いながら質問する

質問をするのは大事です。なぜなら、質問をすることで、目の前のことに全集中をしている、関心を持っている、意欲的に取り組んでいるとアピールできるからです。自己アピールなんて必要なの?と思うかもですが、必要です。

たとえば、先輩看護師が大腿骨頸部骨折の手術後患者の呼吸状態を見ている状況があるとします。で、

「大腿骨頸部骨折の患者さんが呼吸苦を訴えたらなにを疑う?」

と先輩が聞いて新人が答えることと、

「呼吸状態を見るのは、肺塞栓を疑っているからですか?」

と新人が質問することでは、やりとりする情報は同じです。同じですが、後者の方が評価されます。これは、積極的に質問をしているから。積極的に質問をしている新人は、積極的に学ぶ新人だと先輩にインプットされていくので、教え甲斐がある人だと認知されていきます。これを目指します。

そして、この質問をすることこそ、目標が大事になってきます。1日の流れについての質問であれば、「なぜバイタルサイン測定の前に環境整備をするのか?」「先休憩と後休憩は誰がいつどのように決めるのか?」という感じです。

先輩とのコミュニケーションの1アドバイスはコチラ↓

患者・スタッフにはきちんとあいさつをする

あなたが学生時代にあいさつをきちんとしてきた人かそうでないかは関係ありません、あいさつをしましょう。新人看護師が患者や医療スタッフに貢献できることが、元気よく、丁寧にあいさつをすることです。患者さんの状態によっては、声を大きくする、小さくするなどの配慮がいります。

あいさつがないから、先輩看護師が「あなたには教えません」などと言うこともあります。自分からあいさつすることは、慣れないかもしれないし、難しいかもしれないです。でもメリットがたくさんあります。

あいさつができれば、「やる気がある人」と認知されていきます。「やる気がある人」と認知されたら、先輩が積極的に教えてくれたり、気遣ってくれたりします。

あいさつを患者、スタッフにしない期間が一定期間(あの人はあいさつしない新人だね、とウワサになるまでの期間)続くと、やる気がない人と認知されます。これはヤバいです。先輩を敵に回すと、評価が下がり、何を頑張っても報われない負のスパイラルになるので、これは絶対に避けたいです。あいさつができたとしても、負のスパイラルに巻き込まれることはあります。でも、あいさつはやろうと思えばできるはずなので、それはやりましょうということです。

あいさつをたくさんの人にしていると、無視されること、気づかれないこともあるかもしれません。そこは耐えどころです。あなたが実際にやる気があるかないかは関係がありません。どう思われるかどうかが大事です。

シャドーイング中に目標に応じて学んだことをまとめて、積み上げる

学んだことをまとめて、積み上げる

まずは1日・1週間の流れからつかんで仕事内容の全体像を想像する

目標=わからないこと を設定して、これがわかるようにシャドーイングしていくにしても、最初はなにがわからないんだかわからないです。ですので、1日の流れをつかむようにしていきます。これがわかれば、空気・雰囲気を読めるようになります。先輩看護師たちは○○しているのに新人看護師は××している、のような状況は回避したいですよね。

この、1日に流れがわかってくると、いま何をしたらいいか、がわかってきます。そればわかれば、あとは患者の状態もしくは介入方法がわからないということになるので、これらを細分化して理解すればOKです。言い換えれば、いま何をしたらいいか、がわかることを着地点にしたいところ。

もちろん、手術出しや検査出し、急患対応など、1日の時間の流れに関係ないことにも対応しなければなりません。なかなか時間通りにはいかないのが看護の仕事でもあります。

ただ、時間通りいかないことをわかるためには、時間で何をすることが大事か、をわかっておく必要があります。イレギュラーがあっても患者へのケアを行き届かせなければいけません。ですので、まずは日課業務を理解し、それからイレギュラー対応をわかっていくことが大事です。

わかったこと、知ったことをマインドマップにまとめる

マインドマップは馴染みがある人、馴染みがない人がいると思いますが、マインドマップは便利なツールです。ただ、マインドマップにはパソコンが必要です。ここからはパソコンを持っていることが前提の話になりますが、整理と記憶については、自分の頭の中でやったり手書きでするよりもパソコンを使った方が、時間効率が良いです。

マインドマップは最初はとっつきにくいと思いますが、経験した内容のメモ書きを文章化するにしてもマイクロソフトのワードを使うと思います。が、文章化するのって、大変じゃないですか?文章を書いたり打つことができずに、ずっと白紙のワードやノートとにらめっこしていませんか?

マインドマップは、この内容の時系列だったり原因と結果だったりをつなげる、もしくはつながりのないところを別に整理するわけです。文章と地図の違いよりは明確ではないですが、道順を文章で説明するのと、地図で説明するのとで、どっちがわかりやすいかということです。地図の方が明らかにわかりやすい。

看護の仕事をおぼえるのは、「1年以内に東京から北海道の札幌へ歩いて行くという大目的のために、1か月で大宮、次は1か月で宇都宮、次は仙台、というように、制限時間内の各目的地が設定されており、それより細かいチェックポイントは自分で設定して、人に聞いたり、自分で考えたりしながら、各目的地を目指す徒歩の旅のようなもの」です。道を知るためには、文章よりも地図の方がわかりやすいかと思います(地図が読めない方、ごめんなさい)。

各目的地の制限時間をオーバーしてしまった方、つまり新人看護師としての進捗が遅れていると言われたり思っている方は、ご連絡ください。サポートします。

仕事内容の全体像をつかんで、マッピングし、次のシャドーイングの目標を立てる

仕事内容の全体像をつかむことさえできれば、あとはイベント毎にマインドマップを作成して、引き出しを増やしていくことになります。

例えば、

  • 予定入院対応
  • 急患対応
  • 手術患者受持ち
  • 急変対応
  • 透析患者受持ち(透析出し)
  • 各種検査のある患者受持ち
  • 輸血患者受持ち
  • 化学療法患者受持ち

これらのイベントについて、手順毎にマインドマップを作っていけば、迷わない、ということになります。文字で書くと簡単なのですが、経験した内容を次につながるようにまとめていくのは、最初は大変です。やり始めると、急患対応と予定入院対応が似ている、とか、輸血患者対応と化学療法患者対応が似ているとか、そういうことに気づいていきます。

僕のつまづきの1つは、これらをメモ書きの整理のしかたがわからなかったことと、ワードの文章で整理していたことです。これでも整理できる人はいるでしょうけど、僕は無理でした。入院患者対応のとき、やることが多すぎて、何かが抜け落ちたり、薬の確認に手間取りました。特に、患者さんから受け取るもの(誓約書や同意書類、薬類)、患者さんに渡すもの(入院の案内やネームバンド)は、確実にやりたいですね。新人看護師が実践するとき最初は先輩が付きますが、先輩が見守ってくれるのか先輩が監視しているのか、新人の気持ちと先輩の気持ちはともに様々です。

新人が1つ間違えたら優しく指摘するか厳しく指摘するかは先輩看護師に任されているし、それに対して新人がへこむか次に活かせるかは様々です。結局、正しい方法で実践するのが一番新人看護師の負担が少なく、その正しい方法をおぼえるために重要なのが、マインドマップによる整理だということです。

まとめ

【目標を作る】新人看護師がシャドーイングを攻略するときのアクションプラン

シャドーイング中にあいさつをしたり、メモ書きをすることは、誰でもすぐにできることですが、仕事の全体像をつかんだり、マインドマップを使ってそれをさらにマッピングしていくことは、抽象的な要素が強く、実践の難易度が高めかと思います。これについては、深堀をしていきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

前編はこちらです。

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