新人看護師のあなたへ【意外に知らない】プリセプター制度のデメリット

新人看護師 看護師

こんにちは!「人に優しく、人を楽しませる」コミュニケーションが信条で、日本を、世界を癒しの力で包み込みたい看護師タレントユウジです。

このブログでは、病棟、高齢者介護施設、新型コロナウィルス軽症者宿泊施設、訪問看護ステーション、大学院生、教員、派遣など、様々な場所で看護を考えてきた看護師歴10年の僕だからこそいえる内容をブログ記事にして発信しています。

今回は、プリセプター制度のデメリットについてです。

実は、プリセプター制度のデメリットは、新人が入職する段階では、説明されなかったり、新人が知らないことが多いです。マンツーマンとか、一緒に育つとか、精神的支援とか、メリットばかりが強調されますが、デメリットを理解したうえで、それをカバーする対策を検討したいですよね。

僕は、全くプリセプター制度のデメリットを知らずに世間知らずなまま入職して、大やけどを負ったので、あのときの自分に届けたい思いでこのブログを書きました。

プリセプター制度の概要

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マンツーマン教育

プリセプター制度の概要については、よく知られていると思います。新人看護師に、3年目以上の先輩看護師がマンツーマンで指導にあたるという教育制度です。このとき、指導する先輩看護師をプリセプターと呼びます。新人看護師をプリセプティと呼びますが、プリセプティという用語はプリセプターよりはあまり使わないことが多いです。

施設によって名前は違いますが、新人指導プログラムという入職してから1年の期間で、何か月でどれくらいのことができるようになればよいかという計画があり、これの進捗状況を確認していくことがプリセプターの主な役割になります。新人看護師の主な役割は、このプログラム通りに仕事をおぼえていき、課題を解決していくことになります。

実は病棟運営の要素

新人教育は病棟運営の要素であり、病棟会議で進捗状況を報告していく事項です。また、メンター(エルダー)というプリセプターの相談役、教育委員、病棟主任、病棟師長という病棟運営の機関の中で、教育という大枠の中の1つの要素です。

プリセプター制度のメリット

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教えることで先輩が育つ?

教えることで看護の知見が広がるとか、看護観を深めていくとか、ということとして説明していることが多いです。
基本的に看護師教育はOJT(On the Job Traing)なので、おぼえるのは病院・病棟のルールと、仕事の割り振り(優先順位を決めること)と、看護技術です。つまりこれらはすべて方法・手順であり、これはこうやる、という指導がメインになります。
プリセプターが、「新人看護師の理解度に合わせて指導方法を検討する」ということができれば、看護の伝達・伝承という哲学的な考えにたどり着けるかもです。しかし、3~5年の経験年数のプリセプター看護師は、自身の変化や成長の手本がなかったり、漠然としていたりで、ばらつきが大きい、ということができます。ばらつきが大きいというのは、人によって大幅に成長したり成長しなかったりのふり幅が大きいという意味です。

新人の精神的支援?

新人看護師のリアリティショックを緩和するとか、職場に適応する潤滑油になるとか、そういう役割を説明されていることが多いです。再度言いますが、3~5年目のプリセプター看護師は経験豊富といえず、ばらつきが大きいので、残念ながら、プリセプター自体が新人看護師にとってリアリティショックであることも少なくありません。

見直されている現状

プリセプターを看護師経験10年のベテラン看護師がやったり、プリセプター制度を廃止している病院があります。つまり、3~5年目では力量不足だとか、プリセプター制度にデメリットが大きいと判断する病院が増えたということです。

プリセプター制度のデメリット

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プリセプター制度は、プリセプターの人間性と、プリセプター-新人看護師との関係が明暗を分ける制度です。これらが、新人看護師の1年の成長、自己肯定感、幸福度を左右します。
プリセプターと意気投合できれば新人看護師は大幅に伸びるし、嫌われて評価を下げられたら本当に精神的につらくなるシステムです。

プリセプターが、新人の命運のすべてをにぎってしまう

マンツーマンなので、病棟で信頼されているであろうプリセプターの胸三寸で、新人看護師の運命が決まります。これは影響力がプリセプターの方が強いからです。新人看護師は、入職当初は病棟に対して何か貢献できるわけではないので、病棟から信頼されているわけではありません。他の病棟看護師への影響力が、
プリセプター>新人看護師
となるので、プリセプターと新人看護師が同じことを言ったとしても、プリセプターの方が深く信頼されます。
これはプリセプターの重大な責務なので丁重に扱ってほしいのですが、「簡単に新人のネガティブキャンペーンができてしまう」わけです。育てることは難しく、失脚させることは簡単です。

こんな1人の人間の人生にとって重大なことを、1人のプリセプターに任せていいのでしょうか。

病棟運営計画の中に入っているはずなのに、感情的な扱いを受ける

新人教育は、病棟運営計画の中の、教育グループの中の、1つの要素です。ですので、病棟全体で関わっていくことであり、月次報告を主に病棟会議で行います。
つまり、新人指導は仕事の一部です。
それにもかかわらず、教育の役割を担わない看護師だけでなく、新人看護師の精神的な支援を担うはずのプリセプターまでもが、忙しいなどということを理由に、新人看護師を冷遇するという話をよく聞きます。
自分のその日の仕事さえこなせれば、いいということなのでしょうか?

しかも、月次報告では冷遇されたという話はきれいさっぱりなかったことにされます。

アクションプラン1:新人看護師は、プリセプターとの関係を見つめる

まず、前提として、新人看護師が配属された病棟の病気や、看護技術については、勉強は必要です。
そして、不要な批判を避けるためにも、勉強はしておいた方がよいです。受け身で指導を受けるだけになってしまうと、批判も受ける可能性があります。

これに加えて、新人看護師ができることは、プリセプターとの関係を見つめることです。
関係を見つめるというのは、接するときのお互いの気持ちがどうであるか?を考えるということです。
無感情なのか、明るい気持ちなのか、暗い気持ちなのか、ということです。

簡単に言うと、

  • 目を見て話す
  • あいさつをきちんとする
  • 忘れないためにメモをとる

という基本的なところで評価を下げないようにし、そのうえで、

  • わからないことをわからないと言ったときのプリセプターの反応
  • 忙しいときに質問したときのプリセプターの反応

これらを主観的・客観的に見つめてみましょう。

アクションプラン2:悪い方向へ進んだと想定し、逃げるタイミングを考えておき、実際にそうなったら行動を起こす

プリセプターとの関係、病棟での他看護師との関係が悪い方向へ進んだと思ったり、
つらくなって、ねむれなくなった、食欲がなくなった、便秘になったなどの身体症状が出てきたら、
そのときに、

  • プリセプターの変更を申し出る
  • 異動を申し出る
  • 退職を申し出る

という行動をとることをあらかじめ決めておきます。これは自動的に、このような状況になったらこうすると決めておくことが大事です。

そのときに「考える」ではいけません。「考える」と、その瞬間に楽な選択肢を選びます。その瞬間の楽な選択肢は、「何もしない」ことです。行動するのは労力がいるので、身体的・精神的に疲れていると、「何もしない」ことを望みます。
でも、この「何もしない」は、少し先の未来でのさらなる消耗、精神的消耗、心の傷などが待っていることになります。
異動かプリセプター変更か、退職かは、迷うなら、退職をちらつかせての異動がいいです。あみだクジとかで決めてもいいですしね。

「あみだで決めるとかふざけんなユウジ!」
とか思われそうですけど、プリセプターが運命をにぎってしまう制度の方が「ふざけんな」だということと、悩むと本当に決められないし行動できないんですよ。占いとかでもいいし、行動の後押しになるものならなんでもいいんです。

まとめ

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今回はプリセプター制度のデメリットを中心に、不真面目さを前に出して解説しました。
重要なのは、新人に対してほとんど説明されないプリセプター制度のデメリットを理解し、それを自分自身、あるいはプリセプター自身が、病棟でカバーできるものかを考えておくことです。もう一つ重要なのは、いざつらくなったときにどう行動するかを考えておけば、いちばん大事なあなたの心を痛めずに済むということです。
逃げるのは恥ではありません。あなたの心を守るための戦略的な撤退です。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。ほかの記事もぜひのぞいていってください。

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