回復期リハビリテーション病棟の1日の看護業務 *84歩

看護学生 看護師

こんにちは!ユウジです。

今回は、僕が長年勤めていた回復期リハビリテーション病棟の1日の看護業務の流れを紹介します。

回復期リハビリテーション病棟は、病状は安定したが訓練をすれば体の動きがもっとよくなる見込みのある患者が、在宅復帰に向けてリハビリテーション、つまり身体状態を回復させ、自宅での生活がうまくできるようにするための訓練をしている病棟です。

回復期リハビリテーション病棟は、医療処置が少なく、看護師は看護ケアを中心に活動できるので、看護の原点に近い病棟です。

時系列で説明していきます。

午前中の看護業務

  • 8時~勤務開始、申し送り
  • ~8時半 食堂から病室へ患者を移送
  • 8時半~9時 バイタルサイン測定
  • 9~10時 環境整備
  • 10時~ 転入受け/清潔ケア
  • 11時~ 食前処置・食堂へ患者を移送
  • 11時半~12時半 昼食見守り、食堂から病室へ患者を移送

午後の看護業務

  • 12時半~13時半 ナースコール対応
  • 13時半~14時 カンファレンス
  • 14時~16時 清潔ケア、家族指導、多職種協働
  • 16時~17時 残務処理、物品カウント、勤務終了

午前中の看護業務

8時~勤務開始、申し送り

8時に夜勤者からの申し送りを受け、日勤の業務開始です。
検査や手術、輸血はまれにありますが、医療的な処置はほとんどなく、移動、更衣、清潔ケア、排せつケア、食事のケアがメインです。入院患者の病状は安定しているので、申し送りの時間は短く、5~10分です。

~8時半 食堂から病室へ患者を移送

食堂に来てご飯を食べている患者が一般病棟に比べて多いです。理由は、

  • 回復期リハビリテーション病棟協会のあり方方針で、ご飯は食堂で食べると決まっている
  • 食事に手伝いが必要な患者さんや、ムセがある患者さんの、お手伝い(介助)や観察を行き届きやすくするため(夜勤は人数が少ないから)
  • 食事のために座ることが訓練につながる
  • ベッドは食事を食べる場所ではない

そのため、食事が終わった患者さんから、移動(歩行や車いす)に手伝いが必要な患者さんは、看護師が移動の援助をして歯磨きを行い、ベッドに戻すということをします。

8時半~9時半 バイタルサイン測定

体温、脈拍、血圧測定のことをバイタルサインといいます。バイタルサインは、生命兆候という日本語に訳すことができ、病状が悪いと、これらの数値が乱れます。病状が安定していると、これらの数値も安定します。まずこれらを測定し、病状が安定しているかをみます。ただし、これらの測定値からだけではなく、歩き方、表情、問診などで全体的に患者の調子を把握します。

9半~10時 環境整備

ベッド上の掃除と、患者の物品の整理を行います。これは転倒予防と清潔を保つために行います。

靴や杖が遠い位置にあると、それを取るために患者が動いて転倒の危険が高まります。これを予防するために看護師は日々努力して指導、見回りを行っています。

10時~ 転入受け/清潔ケア

僕の病院は院内の脳神経外科、整形外科から患者を受け入れていたので、院内から患者を迎えに行くことをしていました。

また、環境整備が終了したら、バイタルサイン測定の続きを行い、それが終了したら清潔ケアを行います。主には清拭(せいしき)といって、体を拭く手伝いをしたり、更衣の手伝いをします。

11時~ 食前処置・食堂へ患者を移送

11時になったら、患者を食堂へ移送します。20人程度は食堂へ連れてくるので、1人の看護師につき4,5人は連れてくることになりますので、11時頃から移送をスタートします。

また、食前処置といって、血糖測定とインスリン注射、食前薬の内服を行います。
糖尿病は国民病ともいえるくらい珍しくない病気で、対象の人に対して処置を行います。

11時半~12時半 昼食見守り、食堂から病室へ患者を移送

  • 食事のお手伝い(介助)や見守りを行う
  • 食事のセッティングを行う(食膳のふたをとったり、飲み物にストローをさす)
  • 座る体勢のバランスが崩れていないかを見守り、適宜直す
  • 看護師は患者の食事量を記録する
  • 食事が終了した患者から病室へ戻し、歯磨きを行い、ベッドに戻す

食事は患者にとって1日の大きなイベントです。訓練で鍛えても、栄養がなければ筋肉はつきません。
ですが、健康な人と違って、食欲が出にくかったり、食事自体に疲れてしまうことも多々あり、無理強いもできないので、その見極めが大事です。

午後の看護業務

12時半~13時半 ナースコール対応

この時間は看護師が交代で休憩をとるので、つなぎの時間です。

13時半~14時 看護師カンファレンス

ここで看護計画の評価をしたり、患者が1人で歩けるかの検討をしたりします。
看護師は、患者の歩く動作や体を拭くケアなど、よく観察しています。その見解を出し合ったり、課題が解決しないのはなぜかを話し合ったりします。

14時~16時 バイタルサイン測定、清潔ケア、家族指導、多職種協働

午後もバイタルサイン測定を行い、体調をみてから清潔ケアを行います。また、面会時間(多くの病院は15~20時)になると、看護師が家族に患者の介助指導を行うことがあります。
また、回復期リハビリテーション病棟では、リハビリテーション訓練を担当する、理学療法士や作業療法士が家族指導を行うことがあり、看護師はそれに付き添い、家族の理解や実施状況を確認します。これが退院前に大事です。

16時~17時 残務処理、物品カウント、勤務終了

回復期リハビリテーション病棟では、残業はほかの病棟にくらべて少ないです。これは、病棟の外に看護師が行くのは転入受けくらいで、その他の病棟外の用事はないので、業務がスムーズに進みやすいということがいえます。
また、物品カウントは、体温計などのグッズを数えます。備品管理も看護師の仕事です。そして、これらが終了したら勤務終了となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
回復期リハビリテーション病棟は、理学療法士、作業療法士が同じフロアで仕事をしており、関わることが多いです。
彼らの力を活かしつつ、日々患者ケアにあたることが回復期リハビリテーション病棟での看護業務で大事です。