看護師の光と闇 人間関係の悩みは日本社会全体の傾向 退職時の引き止めが闇 仲間が最高の光 *94歩
看護師 看護師とサラリーマンについて 看護師を目指したい人へ
こんにちは!ユウジです。
今回は、看護師の光と闇ということで、看護師の明るい面と暗い面について、記事にします。仕事をしていると、誰だって、つらい、やめたいという瞬間があります。でも、看護師はその仕事の特性上、患者の前から逃げ出すわけにはいきません。だからこそ、自分の思いを押し殺して勤務している方もいます。1年目の自分もそうでした。これはとてもつらいです。
- つらい思いをしている人を少しでも救いたい
- これから必要以上に苦しい思いをしないでほしい
- とてもつらかった1年目の自分に対してアドバイスをしたい
そういう思いで書いています。
実は、看護師は日本社会の中で離職率が高いわけでも人間関係が特別に悪いわけでもない職種であり、問題なのはめちゃくちゃ辞めづらいということです。
今回の記事の対象者は、このような方です
- 看護師の職場の人間関係で悩んでいる
- 仕事がつらくていまの病院を辞めたい
- 看護師の仕事のいいところがわからない、わからなくなった
この記事を読むことで、これらの変化を促します
- 看護の職場の人間関係が特別に悪いのではなく、日本社会の傾向と類似しているとわかる
- 仕事がつらいと思っている人は世の中にたくさんいるとわかり、心が少しだけ軽くなる
- 看護師の仕事のいいところ、仲間がいるということがわかる
- 精神面の充実や、転職への一歩の助けになる
よろしくお願いします。
看護師の光の正体 それは仲間の存在です
これは看護師の強みです。看護学校の同級生、病棟の同期や先輩後輩、この仲間の存在が看護師の仕事をするうえでの強大な光であり、強みです。
看護師はチームワークを大切にする
看護師はチームワークを大切にしています。自分の担当患者が徘徊していて離れられない、しかし手術患者の迎えにいかなければならない、こういうときには他の看護師に頼ります。自分の手が空いているときは積極的に協力し、自分だけでは患者のケアが不足をするなら、誰かに依頼して充足します。このように、病棟の看護師全員で、全入院患者をみるという共通認識で日々仕事をしています。
看護師は患者との関わりの語りを大事にする
ナラティブというやつです。患者との関わりの語りから、患者に対するケア経験を他の看護師に伝え、共感し、楽しみ、経験と時間と場所を共有することで、看護師としての成長を促します。
言葉で説明すると堅苦しいのですが、これが楽しい、興味深いのです。一言で言うと人間ドラマです。
看護師は数が多い
最後は数です。1つの病院、1つの病棟、1つの看護学校でも、看護師だったり看護学生は、本当に大多数です。そして、病棟業務や看護実習で、多くの仲間と関わります。
中には人として付き合うのが苦手な人も出てくるでしょうけど、それだけ多くの人と関わっていたら価値観の近い人ともある程度で会えるし、同じ看護師でもいろんな性格、価値観の人がいることに気づきます。仲間ができるのは必然です。
看護師の闇の正体 退職時の引き止め方が異常 これが人間関係に影響
看護師はくいっぱぐれることがない職種です。しかし、難点ともいえるのが、退職のしづらさです。
これが人間関係に影響します。影響というのは、人間関係の悪い職場だったらさっさと辞めたいところですが、辞められない。だから悪い人間関係のところにずっといなきゃいけない。人間ってこうなってくると、思考が停止してきて活動意欲が減退してきて、疲れ行動力がなくなり、あきらめてしまう。そうなると、人間関係はよくならない、退職もできないという経営者の思うつぼになります。
ハラスメントとして訴えれば異動ができたり、傷病手当金がもらえたりするかもしれませんが、中々退職できない、この異常さが闇です。
派遣の働き方が成り立っているのも、この理由もあると思います。
退職について先延ばし、説得、理由つぶしなど引き止め方が異常
看護師は退職がしづらい仕事です。
次項に説明する理由で病院が看護師の数を確保したいので、退職を引き止められます。
以下の理由で退職を申し出たとします。するとこういわれます。
- 大学院に進学するので退職します:不合格だったら退職を再考してください
- 結婚して引っ越しをするので退職します:その場所なら通えるんじゃないですか
- 1か月後に退職したいです:6か月以内に申し出ていない退職は受け付けません
- (新人看護師)つらいので退職したいです:3年終えるまで頑張ってみましょう
- 辞めたいです:いま辞めたらどこの職場でも逃げる癖がつきますよ?
- 妊娠を機に退職したいです:・・・わかりました
- 次の市議会議員選挙に立候補します:・・・わかりました
これね、病棟師長も看護部長も、めちゃめちゃ上から目線で、退職言うなという雰囲気で言ってきます。
看護師を集められなくたって、この人たちの給料上がらないんですけどね、多職種にたいするメンツでしょうか。
こればかりは空気を読みすぎず、自分の意思を押し通さなければなりません。
一般企業では、3~6か月前の申し出が一般的ですが、看護師は6か月前締切のところが多いです。募集期間を締めきったら、受け付けませんと強気で主張されます。
対策 知識武装と行動力で退職する
法律の知識:2週間で辞めれば訴えられない
労働基準法では、退職については無期契約の場合、退職を申し出て2週間で退職することができます。
もちろん法律上は、です。無理だと思われる方も多いでしょう。これは、無理とか無理ではないとかではなく、ここで強引に辞めても訴えられないということが言いたいわけです。
北海道へ行った友達の行動力
神奈川時代の同期の話です。同期の男性の看護師のHくんは、同じ病棟の看護師R子さんと付き合っていました。
R子さんは、家庭の事情で実家の北海道へ帰ることになりました(予定よりも早い退職だった)。
Hくんは迷ったのち、北海道へ1か月遅れで行くことにしました。Hくんは看護部へ辞めると言った後、案の定引き止められましたが、「今月で辞めるしか選択肢がないです」と押し通して辞めました。
就業規則に違反したとしても、罰則がなく、法律に違反したわけではないので、Hくんは辞めて北海道へ行きました。めでたしめでたし。
と本当にこんな話があったわけです。知識がなくても行動力でなんとかできちゃう。
辞めてない 休職・傷病手当金等
仕事を辞められなくても、職場に通わなくて済むなら、いいですよね。
休職は職員の権利であるし、健康保険の制度の中に、傷病手当金という制度もあります。
受診や診断書など書類が必要になってきますが、一時的にでも職場から離れて、心身を休めるということも大事です。
ここから退職できる時期まで待つのも手ですしね。
7:1看護の弊害
7:1看護については、一般病棟において、患者7人に対して看護師1人を配置できる場合に、充実した看護を提供している病院として診療報酬を高めにもらえるという仕組みがあります。
ここではこれを掘り下げるつもりはないのですが、簡単にいうと、看護師がたくさんいる病院は、看護師の数がそれより少ない病院よりも、充実した看護を提供している病院として医療費を高くもらってよいという制度です。
看護師がたくさんいたら、病院がもうかるわけです。もうかりたいから、看護師を退職させたくない。退職させたくなかったら、退職させなきゃいい。といういたって単純な仕組みです。
一般企業であれば、自動化のように、社員の給料は減らしたい方向にいま進んでおり、若手よりもベテランのほうが多くの給料をもらっている大手企業では、年功序列制度を崩す方向性に話が進んでいます。しかし、看護師の場合は、病院がもうけを確保したいから、看護師の数を確保したい、というわけです。
人間関係がきついのは看護師の職場の闇? でも日本の職場は大体そう
看護の職場は人間関係がきつい?一般企業と比較
看護の職場は人間関係がきついとよく言います。
- 患者の命がかかっているから甘いことは言っていられない
- 女性の職場だからきつい
- 細かい手順に気を付けなければいけないから、指摘を受けやすい
- 先輩後輩の上下関係が厳しい
こんな感じです。
ただし、職場の人間関係が厳しいのは、看護の職場の特徴だけではなく、日本社会全体の職場の特徴です。
看護師を辞めた理由 2018年マイナビ看護師より
一般社員対象 出典:リクナビ_転職理由ランキングhttps://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/)
これら2つを見比べてみてください。退職理由については様々なアンケートがされており、かなりバラツキがあります。ただ、調べてみると、どっちがどうという傾向は見つけられなかったです。
したがって、看護師の方が人間関係に悩んでいるとか、悩んでいないとかはいえないということです。
まあ、日本社会では看護師も一般企業のサラリーマンも人間関係には悩んでいる、ということはいえます。
僕の見解は、看護師の職場の人間関係が悪い、というのは、看護師の職場の特徴はあるものの、人間関係がきついのは日本社会全部であって看護師の職場が特別なわけではない です。
看護師も日本の企業も人間関係がきついのは大差ない
このポジションで話を進めていきます。
看護師が特別に職場の人間関係がつらいわけじゃないです。むしろ、看護師はシフト制なので、合わない人と一緒に仕事をするのは1/5しかありません。
看護師と一般企業で人間関係がきついのは大差ないから、看護師は我慢しなさい、などと言うつもりはないです。これは、看護師特有の問題なのではなく、日本社会全体の問題だと言いたいわけです。
人間関係がきついのは大差ないです。今回のテーマは光と闇です。看護師の人間関係はきついけどそれは一般企業も同じ、だけど別にきついところがある。そして、そこが闇だと言いたいわけです。
まとめ
今回は僕のブログの中でも最も長い文章になり、読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
いつもなら何個かにわけてまとめ記事にしたいところなのですが、闇を書くと闇だけで終わらすわけにはいかず、必ず光の部分を書かないとなりません。この理由は、暗いところだけを書く意味がないからです。
闇の記事をみて、やっぱり看護師の職場はきついんだ と思ってほしくないのです。
自分の意見を主張するが苦手であったり、優しすぎる人にも、看護師や看護学生を続けてほしい思いで書いているわけであり、闇の部分は対策を考えてほしいという思いで書きました。
課題ばかりの看護師の職場ですが、つらい思いをしている人を少しでも救いたい、これから必要以上に苦しい思いをしないでほしい、とてもつらかった1年目の自分に対してアドバイスをしたい、そういう思いで書いていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。